川越市の一デンタルパーク武内です。
小さい子供を持つ親にとって、子どものグズリっていやですよね?
機嫌が良くならない時は何をしてもダメ…
僕も経験がありますのでよくわかります。
自分もイライラしてきちゃって、甘いものえおあげて静かにさせようと
考えちゃうことないですか?
でも、これはちょっと待って!
小さいお子さんにとって甘いおやつが、いいものにもなるし、悪いものにもなります。
お母さんが知っていないとむし歯だらけ、イライラする子どもになることがあります。
将来大人になるお子さんのために、少し目線を変えて接してみませんか?
というお話です。
今、子供のお口の中がピンチ!?
手軽になんでも食べられる時代になりました。
このことが体が砂糖に対して依存に近い環境になっています。
柔らかく、甘い食べ物が多くなったことで、
顎の発達が不十分な子
集中力がない子
感情のコントロールも苦手な子が増えています。
お母さんの困ったことを解決したいと考えている私にとって、
私はお母様方の困ったということを解消したいと考えています。
子どもとの時間は楽しく、そしてしっかり成長する手助けがしたいです。
ですが、子供のお口と性格を同時に壊してしまいかねない甘いもの習慣について、心配しています。
50g食べてよし!
1日に食べても大丈夫な砂糖の量があることって知っていますか?
WHOでは、砂糖の摂取量に関して目安が立てられています。
遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満に制限することは、健康な食事の一部である。更なる健康上の便益のために、総エネルギー摂取量の5%未満への一層の減少が提案されている。(原文のまま)
(2018 WHOファクトシート 健康的な食事より)
少し難しいので、実際の生活に当てはめてみましょう。
1日の総平均摂取カロリーは、
女性は1400~2000kcal
男性は2000〜2200kcalです。
「一日2000kcal」として考えた時に、糖類から摂取するエネルギー量は200kcalとなります。
一般的な白砂糖は1g=3.8kcalになりますので、200kcal÷3.8kcal=52gが推奨される砂糖の量となります。
さらに全体の5%となると、摂取できる砂糖は26gまでということになります。
おやつなどには砂糖はどれくらい含まれている?
砂糖の量はこれでわかりました。
では、どんな食べ物にどれだけ砂糖が使われているでしょうか?
この表は食品の砂糖の量を示しています。
このように、日常よく目にする食べ物や飲み物には多くの砂糖が入っています。
(ケチャップにも砂糖入っています!)
体への影響は?
砂糖のとり過ぎによって起こることは、肥満、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病につながっています。
糖依存の状態では、大人でも子供でも血糖値の急上昇と急降下による自律神経の不調が起こります。
イライラしやすくなる、落ち着きがない、集中力がない性格になることもあると注目されています。
砂糖と食べ合わせのいいものは?
炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられます。
さらに糖質には、糖類、小糖類、多糖類といったものに分けられます。
この糖類にブドウ糖や砂糖が含まれます。
砂糖とセットに考えるものビタミン
ブドウ糖の吸収を助けるビタミンB1
ビタミンB1は、肉類、魚類、豆類、穀類、種実類などに多く含まれています。
これらと一緒に取ることで吸収と代謝がうまく行われます。
砂糖を取りすぎているとビタミンB1を多く消耗するので、脚気になる方が増えています。
砂糖が口に入ると、胃を通って小腸にたどり着きます。
小腸で吸収されると血中に入り、全身を巡ります。
血中に多量のグルコースが吸収されると、血糖値の調整を行います。
膵臓からインスリンが分泌され、筋肉や肝臓でグルコースが貯蔵され、血糖値を下げます。
砂糖と体に起こる影響はこのようなものがあります。
子どものおやつを考えてみよう!
子どものおやつは家族にとってどんな意味がありますか?
おやつ=お菓子?
おやつ=甘いもの?
ですか?
子供は1回に食べられる量が少ないため、大人と比べると何度もご飯を食べる必要があります。
ここが重要です。
おやつは3食の食事で足りないものを補うために、必要な栄養を摂るためのものです。
お子さんにとって、大人のような「甘いもので一息つく休憩時間」とは違うことを忘れないようにしましょう。
おやつ=補食と考えてみませんか?
このような3食の食事では足りない栄養素を摂取するために食事を補食といいます。
子どもの心身の健康を考えるなら、間食は「補食」として栄養補給を目的にしたものを選ぶようにしましょう。
糖質だけに偏ったおやつは、栄養がアンバランスです。
代謝するときにビタミンB1を多く消費するので、うまく体のエネルギーとして使うことができません。
補食として最適なのは、おにぎりや、やきいも、ヨーグルト、フルーツなどがあります。
特に、ビタミンやミネラルなど、成長期の体に必要な栄養素を含むものがいいです。
適量を知らないと起こる危険があります
ここ重要です。
砂糖を過剰に摂っていると、1日の中で血糖値の上げ下げが激しく起こります。
それによって自律神経のバランスが崩れます。
自律神経の乱れは、集中力が落とし、落ち着きがなく1つの作業に向き合うこともできなくなります。
またストレスに対して過敏に反応するようになり、我慢ができない、続けることができないという行動が目立つようになります。
むし歯ができちゃったと来院されるお子さんには、甘いもの管理ができておらず、むし歯が多発しているお子さんがいます。
そういったお子さんは少しの時間でも待つことができず、よく動き回っています。
歯科医師として思うことは、むし歯の状態からその子の体の状態を推測することは簡単にできます。
詳しいむし歯のリスクのお話については、以前記事にしていますのでそちらも合わせてお読みいただくといいと思います。
歯科医師として仕事をしていると、食べ物のことを考えない日はありません。
むし歯の原因の1つが食べ物(食事)であるためです。
誰しも、自分の子供に対して良かれと思って…
ということがあります。
しかし、実はいい習慣とは言えないことが多いのも事実です。
甘いものが好きで、与えことでと言うことを聞かせている方もいると思いますが、しっかりとやめさせた方が良く、本人のためを思うと残念な気持ちになります。
そして、1度子供にお菓子を与えると、もっともっととせがまれたことはありませんか?
もしそうなってしまっていたら、そのままではいけません。
必ずお口の中、体、精神面で影響が出てきます。
もしお菓子をあげるときは…
こんな一言声をかけてあげましょう。
子どもには「ジュースを飲むなら、今日のおやつはそれで終わりね。お菓子を食べるなら、飲みものは水かお茶にしようね」と言い聞かせることをすすめています。
そうすることで、少しづつ甘いものとの付き合い方を教えてあげられると思います。
そして教えてあげられるのはパパママしかいません。
まとめ
今この子の状態ではいくらお口の中をきれいにしたとしても
むし歯ができること
口臭がすること
が、なぜできてしまうのか理解してもらうことが重要だと思います。
お口にとっても砂糖とうまく付き合うことは非常に大切です。
むし歯菌の栄養素となる砂糖ですので、上手に付き合うことができればむし歯ができない体になります。
現代では簡単に柔らかく、甘みがある食べ物はどこにでもあります。
人間が生まれてからこれほど甘いものが簡単に手に入る時代はありませんでした。
体にとって本来希少であるはずの甘い食べ物がすぐに食べられることは、快感でありどんどん慢性的な糖依存状態となっていきます。
お子さんの体は見た目だけではありません。
精神的な、中身もしっかりと成長させてあげられるといいなと思っています。
長くお読みいただきましてありがとうございました。
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